6/30(日)
この日記の出演回数が家族に次いで断然多い雅子とまた散歩に。ちょっと曇ってたけど、なんだかんだで喋りながらビーコンヒル公園まで歩き、Cook Street Villageにあるお気に入りのランチスポットでココナツカレーを食べて帰った。
午後はクライアントさんがビクトリアに引っ越してくる日なので鍵の引渡しに行った。バンクーバーから日系の引っ越し屋さんが小型トラック一つ、一人で来ていてびっくりした。「荷物そんなに多くないですから」と言っていたけど、一つ一つ丁寧に運んでいてすごいなと思った。
7/1(月)
カナダデイの祝日だけど家でずっとのんびりしていた。花火も別にそこまで見たいというわけじゃなかったけど、今年から花火ショーの前にドローンのショーがあるということでちょっと気になって、近所の高台まで歩いて行ってみることにした。ここは地元の人はみんな知ってる花火見物スポットなので、少し遅れて出発した私と夫が到着した時には人でいっぱい。花火もちょこっとだけ見たと思ったら終わって、すぐに帰る時間になった。結局ドローンは見損ねたと思っていたら、強風のためキャンセルになったのだそうだ。
7/2(火)
朝のうちに用事と仕事を片付けて、あとは庭仕事をした。理事を務めているシアターカンパニーで、小切手のサイン役になっているので、アーティスティックディレクターのマシューが午後に自転車でうちにやってきて、いくつか小切手にサインした。私も彼も短パンTシャツである。
最近マンゴーを毎日食べている。雅子が、近所のスーパーでマンゴーが1個$1でセールになっていると教えてくれたので、行くたびに3つくらい買って来て食べている。ほぼ全て美味しかったけど、1個だけ酸っぱいのがあった。熟れるのを楽しみにしていたマンゴーを食べて、酸っぱかった時のあのガッカリ感をどこへ持っていけばいいのか。
7/3(水)
毎日やることが大盛りすぎて、日々やることリストをコツコツとチェックオフしていっている。
午後はダウンタウンでいくつか用事を済ませる。私はいまでも有線(AirPodsのようなワイヤレスではない)のイヤホンを使って外出する時やガーデニングする時にはポッドキャストや音楽を聞いているのだけど、長年使っていたイヤホンが片方しか聴こえなくなったので、そろそろ寿命かと新しいものを購入しようと数店見てきた。でももう最近は有線+ライトニングケーブルのイヤホンってほとんど見つからない。世間に置いていかれている感。
一応オーディオジャックとライトニングの間のアダプタは持っているので、家にあるいくつかのイヤホンを使ってみたけど、3つあるものの全てが片方しか聴こえない(一つは右からだけ聴こえて、二つは左からだけ聴こえる)ググってみるとiPhoneのアクセシビリティの設定でMonoになっているのではという回答がほとんどなんだけど、ちゃんとそれはオフになっている。新しいイヤホンを買ってもiPhone自体に問題がある可能性もある。うーん。もう外出時は何か聴いていないと気が済まないオーディオ中毒なので、ちょっとフラストレーションが溜まっている。
7/4(木)
Kyodai Arts Collectiveのミーティング。8月にバンクーバーで日系アーティストのミートアップをすることになったのでその打ち合わせ。午後はまたいろいろと外で用事を済ませた。
7/5(金)
緊急の通訳の仕事が入り、クライアントさんに付き添ってクリニックへ。普段は全く病気もしないし元気なんですけど、留学して2週間でクリニックに行くことになって、ほんと保険に入っていてよかったですねという話になった。
午後はパーソナルセッション。パーソナルセッションをやるのはとても楽しいのでもっとやりたい。
7/6(土)
今週は本格的に暑くなるらしいので去年買った小型の扇風機を出してきた。
夕方、家から歩いて2分のビーチで、コミュニティフェスティバルがあったので家族3人でのぞいてみた。Stand Up Paddle Boardingの無料体験とか、子供向けクラフトとか音楽とか、あと小さなマーケットみたいなものも出ていた。ビーチを過ぎてその先にある中国人移民の墓地まで歩き、引き返してフェスティバルで出店していたフィリピン系のBBQのフードカードで焼き鳥を買ったて食べた。このお店のオーナーさんは日系のミックスでもあるので、8月の日本文化祭にも出店してもらうことになっている。
7/7(日)
この夏最初のすごく暑い日。朝のうちにポッドキャストを収録して配信。
午後はちょっと離れたスーパーに買い出しに行こうかと思ったら、歩き出して10分で暑過ぎて諦め、近くのスーパーに変更。猛暑警報が出ていたので、外は人っこひとりいなかった。
これを書いている今日は7月11日で、セブンイレブンデーだ。私は日本で育ったのでSlurpee(スラーピー:シャリシャリした氷でいろんなフレーバーのある飲み物)というものにそこまで思い入れがないんだけど、カナダの(多分アメリカもじゃないかな)セブンイレブンでは7月11日はスラーピーデイで1個スラーピーが無料でもらえる。ちなみに私はスラーピーを飲んだのはこれまで1回しかない。
今週読んだ本
今週は忙し過ぎてほとんど何も読めなかった。まだ「生きのびるための事務」を読んでいる。
今週聴いたポッドキャスト
That Was Us
偶然見つけて今ハマっているのがドラマThis Is Usのキャスト3人(レベッカ役マンディ・ムーア、ランドル役スターリング・K・ブラウン、そしてトビー役クリス・サリバン)が集まって話しているThat Was Usポッドキャスト。YouTubeでも観れる。昨今は人気のドラマがポッドキャストを並行して配信するのは珍しくなくなってきていて、私もこれまでハマって聴いたのは「ステーション・イレブン」のポッドキャスト、「チェルノブイリ」のポッドキャスト、そして最近では「将軍」のポッドキャストで番組の裏話や脚本家やコスチュームの専門家そしてもちろんキャストの話も聴いてどっぷりそのドラマに入り込むことができるようになっている。This Is Usは2016年から6シーズン続いたドラマで、このニュースレターでも、そして過去にははみライポッドキャストやクラハなどで感想をシェアしたことがある。話の展開とか、キャラクター設定とかに時々おいおい、と思うことはあったけど、今振り返ってみても、「私の中で過去最高に好き」レベルまではいかなくとも、好きだったし、とてもよくできたドラマだったと思う。
そのドラマに出ていた3人がポッドキャストを始めて、最初に思ったことは、意地悪かもしれないけど”Ah, they are milking it”ということだった。英語でMilkというのは乳搾りの様子を想像してもらえばわかりやすいと思うけど、最後の一滴まで搾り取ろうとすること、転じて搾取するとか金を搾り取るとかいう意味で使われる。
私はここ1年近くかけて次男と一緒にThe Officeの9シーズンを順番に観て行っている。これも人気シリーズで「フレンズ」同様、根強いファンのいる番組だ。たぶんん、一度「いいね」してしまったからだろうけど、私のFacebookのフィードでは頻繁にThe Officeのミームが流れてくるし、あのドラマの元キャストもポッドキャストをしている、そして最近ではThe Officeのスピンオフ番組ができるという噂も数ヶ月起きに聞く。
私もエンタメ業界の隅っこに片足入れている人間なので、俳優さんたちがブランクなく仕事を貰い続けることがいかに難しいか理解しているつもりだ。自分が20代、30代の頃出演したドラマが大人気になり、そのうち終了して、その後今ひとつパッとしないキャリアだったら、そりゃあ過去の栄光を何度でも掘り返したくなるだろう。私だってきっとやると思う。でも今更終了したドラマの話をしてどうするんだろう、というのが正直なところだった。
とはいえ、このドラマは私も好きだったし、とりあえず聴いてみようと思った。
各エピソードではシーズン1から順番に(!)各エピソードを3人で振り返り当時の様子や今振り返ってみて感じた感想、撮影時の思い出などを語っていて、普通に面白いのだが、聴いているこちらはすっかりストーリーを忘れているので、思わず私もシーズン1から再視聴するようになってしまった。今5エピソードほど聞いたけど、再視聴はまだ最初のエピソードなので、もう少し再視聴が追いついてからポッドキャストを再開しようと思っているけど、興味のある方はぜひ一緒に聴きませんか。
このドラマはやはり、不完全な人たちが不完全な家族を作って色々と葛藤しながら成長していくところを描いているのが魅力だと思う。
This Is Usについては色々思うところがあるので、別に時間を取って何か書くかも。
今週観たTV・映画
Under the Bridge
1997年に私が住んでいるビクトリア(厳密には隣の市のサーニッチ)で、Reena Virkというインド系カナダ人の少女が同級生の女の子に殺害され、地元人の中ではよく知られている事件なのだが、今回この事件がドラマ化され、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でオスカーにノミネートされたリリー・グラッドストーンがサーニッチの警察官役で主演している。
事件が事件だけに、全体的な雰囲気も暗く、なぜこの事件をドラマ化する必要があったのか、True Crime好きな私でさえちょっと理解に苦しむのだけど、まだ全部見終えていないのでなんともいえない。リリー・グラッドストーンは、「フラワームーン」の時と打って変わってほぼすっぴんのレズビアン警官役をやっていて、本当にそういう人に見えてくるからすごい。
The Mole
これ絶対このニュースレターに以前書いていると思うのだが、私の中では一番面白いと思うリアリティ番組のThe Moleのシーズン2を今観ている。なぜ好きかというと、参加者がいろんなゲームをクリアしながら毎週勝ち抜いていく中で、The Mole(二重スパイのこと)が誰なのか、視聴者も観ながら推理できるから。The Moleの役割は参加者を妨害することなので、わざと失敗したりして自分の入っているチームがゲームに勝たないように工作したりする。
以前は、リアリティ番組って下らないとどちらかというと上から目線で見ていたけど、1日の仕事が終わったあと、夫や家族と、参加者にあーだこーだと文句をつけながら観るTVがあるというのは意外にストレス解消になっていてある意味ありがたいことなのではないかと思う。
今週聴いていた曲
曲の良し悪しは別として、いまTikTokでこれしか流れて来ないので頭の中で常にリピートされている曲。
今週は、作家のニール・ゲイマンに対して二人の女性から性的暴行の告発がありThreadsは大騒ぎになった。ゲイマンは同意の上だったと否定している。
ゲイマンは「サンドマン」「コラライン」始め多くのベストセラーを出している作家。私は彼の本はあまり読んでいないけど、「アメリカン・ゴッズ」は大好きな作品だっただけに今回の告発にはがっかり。
特にゲイマンはマイノリティに寄り添うタイプの作家でファンが多く、Threadsでも作家志望のファンがサイン会で励みになるコメントをもらったなどして、みんなに「良い奴」と思われていた人だけに、衝撃を隠せない人が多かったようだ。
アートとアーティストは切り離すべき(トランスジェンダーヘイターのJKローリングとハリポタの例が最も顕著だが)と頭では分かっていても、なかなか簡単にそうは割り切れない。今回の事件では、フェミニストの彼を告発した相手の一人が20代で、ゲイマンの子供のナニー(つまりゲイマンとは雇用関係にある)で、しかも彼女の仕事の初日にゲイマンが彼女に近づいたという報道があり、年齢だけではなく、雇用主と被雇用者という力関係にもあったことから、「これはもう完全にアウトでしょ」という意見が多く見られた。
私自身はゲイマンのファンではなかったのでそこまでダメージはなかったけど、「ブルータス、お前もか」感は半端ない。Not all menとよく言われるけど、あまりにも多くの男性がこのような形で性的暴行を繰り返しているのを見てくると、男性に対して信用が低くなって当たり前だろうと思う。
そしてその後追い討ちをかけるように出てきたニュース。
カナダの短編作家として有名なアリス・ムンロー(今年5月に死去)の娘が、ムンローの二人目の夫で彼女のステップファザーにあたる男性から9歳の頃から性的暴行を受けてきたことを明らかにし、生前のムンローにこのことを話したが彼女は娘よりも夫の側に立つことを選び、何もしなかったということを書いた記事がトロント・スター紙に掲載され、これもThreadsで話題になった。
日本ではあまり知られていないかもしれないが、ムンローはカナダではかなり有名な作家で、ビクトリアには彼女と最初の夫が作ったMunro's Booksという書店が今もある。娘のアンドレアさんはムンローの死後の今なら公開できると思って書いたのだろう。
読んでいるだけで胸が苦しくなる記事だった。性暴力というものは(私が経験したことがあるのは痴漢くらいだが、それでも軽いトラウマになっている)その人の魂を殺すような暴力だと思っている。アンドレアさんは魂を殺されただけでなく、実の母親のムンローには義父を奪われたかのような態度を取られ、義父からも彼女が言い寄ってきたかのように扱われた。実の父親にも相談したが彼は何もしてくれなかった。
子どもにとって、唯一の保護者であるはずの親に見捨てられたアンドレアさんの記事を読んでどうしようもない怒りを感じた。
それだけでも酷いのだが、トロント・スターの記事が出た翌日、ワシントンポストがアリス・ムンローの関係者はこの虐待のことを長年知っていたが何もしなかったという記事を出してきて、読んでちゃぶ台をひっくり返したくなった。中でも酷いのが、ムンローの自伝を書いた研究者のロバート・サッチャー。彼は「この日がいつかくると思っていた」と言っていて、彼が書いていたのはムンローの人生についての本だったので、彼女へのインタビューの中でこのことを知ったサッチャーは”I wasn’t prepared to do that. And the reason I wasn’t prepared to do that is that, it wasn’t that kind of book.” と言っている。自分が書いてる本と関係なかったら虐待を放っておくのかYO!ちょっと信じられない。
最近はキャンセルカルチャーもあり(キャンセルカルチャー自体には問題があると思っているけど)いろんな有名人の実態が明らかになってきている。今回のムンローの事件で、これからは性暴力(特に子供に対する)を知っていても何もしない人にも罰を与えるべきではないのかという気がしてきた。
ここで一旦落ち着いて考えてみたい。私もアラフィフ人間なので、有名人じゃなくてもいろいろな人生ドラマを見聞きしてきているし、自分自身がそういったドラマの中心になることだってあった。それで、胸に手を当てて、誰かが何か酷いことをしているのを知っていて何もしなかったことがあるだろうか、と考えてみた。
この年になると、例えば友達の夫が浮気しているのを知った、とか、そういう話は結構あるのではないかと思う。幸い私は今の時点でも、過去にもそういう状況に陥ったことはないけど、もし友達の夫が浮気しているのを知ってしまったらどうするか?友達に伝える?伝えない?
この例と、アンドレアさんの件の決定的な違いは、アンドレアさんは子供だったということだろう。大人同士のリレーションシップでのいざこざは、見てみぬふりをするか、友達に伝えるか、状況によって判断して構わないと思うが、子供や弱い立場の酷が暴力を受けたり搾取されているのを知った場合、やはり黙っているわけにはいかない。幸いにも今私はそんな状況の人を知らないが、もしなんらかの理由で知ったら、やはり黙っていることはできない。「そういう本じゃないから」と見てみぬフリをするというのはどうしても理解できない。そういう時は、絶対に黙らない女でいたいと思う。