気がついたら前回の投稿から1ヶ月近くも経ってしまいました。サマータイムが終わり、夕方5時には外は真っ暗という、多くの人にとって苦手な季節になりました。ビクトリアではおととい初雪が降り(ちょっとソースを見つけられないのですが、11月7日にビクトリアで雪が降るのは90年代以来だそうです)、今日もまだ3℃以下です。こういう時、やはり家のない人たちのことを考えます。ビクトリアではExtreme Weather Protocolというのが発令されて、いつもはOvernightのステイを認めていないシェルターでも受け入れをしたりして、できるだけ外で寝る人を減らすように努めます。
毎年11月になると開催されるNational Novel Writing Month、通称NaNoWriMo(ナノライモ)。誰でも参加できてとにかく11月は小説を書こうというプロジェクトで、5万ワード書くというのがゴール。このゴールを満たした人には抽選でプレゼントが当たったりしますが、5万ワード行かなくても、小説が完成しなくても、とにかく書くことが目標のイベントです。私は自分自身がフィクションライターという自覚がないのですが、最近はNaNoWriMoでもノンフィクションでも書いていいことになったという話を聞いたので、恐る恐る参加してみました。書いたものは公表する必要もないし、書いたワード数も自己申告なので、ほんとうに「自分との戦い」を実感します。
前回のニュースレターで占いをしてもらったということを書きました。その人が、「11月は執筆に集中する時期」だと言っていたことを覚えているので、とりあえずNaNoWriMoに参加してモチベーションを上げようと思っていたところ、思わぬところからフィクションを書かなければいけないような状況が舞い込んできて、なんか当たってない?とびっくりしています。今はさまざまなサイトでフィクションの書き方を勉強中です。それ以外にも、この友人に占ってもらって以来、「これってあのことだよね?」と思うことばかりで、そこには確証バイアスも入っているとは思いますが、日々がなんとなく楽しくなりました。
イーロン・マスクがTwitterを買収して以来、トンデモなニュースが世間を賑わしています。もともと最近のTwitterには疲れがちだったのと、ヘイトや誹謗中傷が横行するプラットフォームにこれ以上加担したくないことから、マストドンに本格的に移行しました。マストドンは2017年にローンチして最初ちょっと盛り上がった時に、日本語翻訳の手伝いをしたり、私が入っているMastodon.socialというインスタンス(サーバー)では数年前までAdminをしていましたので、新しくアカウントを作るなどせず、しばらくほったらかしだった場所に戻ってきたという状況です。それでも、イーロンがTwitterを買収してからマストドンにアカウントを作る人が殺到して、タイムラインは去年までと打って変わって賑やかになりました。
マストドンはTwitterのような中央集権的SNSではなく、たくさんのサーバーが集まっているので、例えば私のいるMastodon.socialというインスタンスが落ちても、他のサーバーは普通に機能できます。また、見たくない人が多いと思われるコンテンツ(暴力などはもちろん、アイコンタクトが苦手な人や、単に仕事の愚痴など、じぶんは吐き出したいけど見る人はきっとそんなに喜ばない内容まで)にはCW(Contents Warningの略)をつけると隠されて、クリックしないと見えなくなる機能や、視覚障害のある人でも(読み上げ機能を使っている)楽しめるように、画像にはキャプションをつける、またキャプションのついていない画像は拡散しないなどの文化があるのがみんなに優しい感じがしてとても好きです。広告もないし、アルゴリズムというものがないので、バズっている投稿ばかりが流れてくることもありません。フォロワー数もあまり目立った場所に載っていないし、フォロワー数自体あまり重要視されていない感じもいいです。そして、マストドンにはあえていわゆる引用RTにあたる機能を搭載していないのも、マウンティングや反論のためのRT(マストドンではブーストと言いますが)を防ぎ、何か言いたいことがあったらその投稿にリプでコメントすることしかできないので、Twitterのような晒しもなく、とても平和です。また、せっかく新しいプラットフォームに来たのだから、知っている人ばかりでなく、非白人や先住民の人たち、LGBTQ+の人たち、違う国の人たちなどできるだけ多様な人たちをフォローするように心がけています。
マストドンで何が違うというと、Twitterを見ている時に感じるあのモヤモヤ感が減り、エンゲージメントが増え、新しい友達が増えました。趣味の万年筆好きの人もたくさん見つかったし、さまざまな文化の文化コンサルタントも見つかりました。
「マストドンは試してみたけどよくわからなくて削除した」という声や、「マストドンにはフォロワーが少ないからリーチが期待できない」という声を見ると、そういう人は来なくていいよ、と思ってしまいます。マストドンには毎日のようにさまざまな人が「ここでTwitterを再現しようと思うな」「ここはTwitterではない」と呟いていますし「人がたくさん入ってきてTwitterみたいになるのが怖い」という声も見かけます。私も、正直、今のままの、少人数(といっても数十万人くらいでしょうか)のプラットフォームで、気の合う人だけをフォローして会話をしていくだけで十分な気がしていますので、興味のない方は無理してサインアップする必要はないと思います。
文化コンサルタントといえば、先月、日本以外のとある言語文化のコンサルをしている人から連絡されて、Zoomでお話ししました。その方はとあるTV番組で言語コーチのような仕事をしていたものの、その言語を話すのはプロダクションの中で彼女1人だけ、、、という状況で、しかも他の仕事もさせられ、ディレクターズ・ギルドに相談すると彼女が支払われている報酬は業界平均の半分以下ということが判明したという話を教えてくれました。彼女はその後番組のシーズン2に関わるにあたり、報酬を上げてほしいと交渉したものの却下されたとのこと。そういう話をしていくうち、文化コンサルタントという仕事自体まだまだ新しいので、同業者で集まってネットワークを作り、クライアントの情報をシェアしたり、Best Practiceを共有したいしたいねという話になりました。マストドンで募集したところ、早速中国とフランスの文化コンサルタントとつながることができてとても嬉しいです。
はみライポッドキャストでは、先週はフランスの綾花さんが、勇気を出して声をあげたのにひどいことを言われてしまったというお話をシェアしてくださいました。そして今週のエピソードではリスナーのみなさんからのコメントを紹介しています。わたしは普段から、「声をあげよう」「自分のヴァルネラビリティをシェアしよう」と言っていますが、そうすると全てがうまくいくとか、人生が楽になるとかは一言も言っていません。声を上げたり行動することで、逆に傷付いたり、なんでこの人にシェアしたんだろう?と思ってしまうようなことが起こることも事実です。ブレネー・ブラウン ブッククラブでは、そういった”Face down moment”から立ち上がるためのレジリエンスを身につけるべく、毎週みんなで1章を読み、それぞれの話をシェアして一緒に学んでいっています。現在金曜・土曜と週2日やっているブッククラブも12月で終わります。来年からは週1日に絞って開催しますので興味のある方はぜひ。
今週読んだ本
相変わらず「心臓を貫かれて」を少しずつ読んでいますが、とある選考に応募するためのリサーチとして別の本を今もっぱら読んでいます。
今週聴いたポッドキャスト
A Slight Change of Plan
最近追加したポッドキャストが、バイオリン奏者を目指していたのにある日突然バイオリンが弾けなくなり今では認知科学者のマヤ・シャンカーのA Slight Change of Plans。毎回さまざまなゲストと「変化」について話しあるポッドキャストでなかなか興味深いです。
This is Actually Happening
以前も紹介したことのあるThis is Actually Happening。突然夫を亡くした男性が、実は夫には自分が全く知らない一面があることを知ったという回で、この男性が紹介しているミームがとても印象に残ったのでシェアします。タイトルは「前に進むために受け入れること」。
すべての状況で終結を迎えることはできないが、自分自身で終結を作り出すことは可能。
他人がすることのほとんどは、その人に関連していて、自分とは関係ない。
ある種のことは、説明できない。
謝れないから謝らない人もいる。
いくら相手が変わるべきと思っても、人を変えることはできない。人は自分で自分を変えるもの。
これ結構いいリマインダだと思うので、保存しておきました。
今週観たTV・映画
最近はほとんど映画を観ていません。ストリーミング番組ばかりですね。
「ハンドメイズ・テイル」シーズン5は欠かさず観ていて、今日シーズン最終回が配信されるので楽しみ。
White Lotus(「ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル」邦題がすごいな)もシーズン2が始まったので観ています。
この1ー2週間夫と見ていたのは、以前ちょっとだめ観て止めていたBling Empire(これの邦題もすごい。「きらめく帝国~超リッチなアジア系セレブたち~」もうなんか脱力)というLAに住む裕福なアジア人たちの生活を追うリアリティ番組。クレイジー・リッチ!のリアリティ番組版という感じでしょうか。中国系、韓国系、ロシアと日本人のミックス、シンガポール系などさまざまなアジアンの友人グループの生活を追うもので、リッチさに頭がクラクラするものの、結局のところみんな夢や希望や失敗や傷心があって、くだらねー、と思いながらも応援したくなったり。まあリアリティ番組ってそのためにあるようなものですよね。
アメリカの中間選挙や、冬になりコロナの件数がまた上がってきたり、カナダでも色々不穏なニュースが多いので、最近はもっぱら自分のメンタルヘルスの負担にならないものばかり観ています。
それでは執筆に戻ります。また次回。
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