2週間ぶりのニュースレターですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。8月もあっという間に半分過ぎましたね。
この週末には、5月に亡くなった友人のCelebration of Lifeに行ってきました。10分ほど遅れて到着すると駐車場はいっぱいで、路駐している車もたくさん。大学の教授で多くの生徒に慕われていた彼女らしいなと思いました。コロナ禍のため未だにレストランでの外食も映画もコンサートもパーティにも行っていませんが、唯一参加しているのはお別れの会です。ブレネー・ブラウンも言っていますが、お葬式というのはつらさをあえて共有する場である、という話から、できるだけ参加するようにしています。結婚式は逃しても後でお祝いできるけど、お葬式はそういうわけにもいかないですもんね。
50代半ばという若さで1人息子と夫を残して逝った彼女のことを思うと涙がでましたが、たくさんの友人のスピーチ、そして写真のスライドショーなどをみていると、彼女は本当に人生をめいっぱい生きた人だったのだ、と思い知らされました。たくさんの友達とのパーティやバケーションの写真、そして会場いっぱいに集まった人たちを見て、私が死んだ時はどのくらいの人が集まるんだろうかと考えてしまいました。
帰宅して、夫に「私たちもお葬式のこと考えておこうよ。あなたはお葬式でしてほしいことある?」と聞いたところ、彼は「僕が死んだ後のことなんてどうでもいいよ。っていうかお葬式って家族のためにやるものじゃない?」と言われ、そういう考え方もあるのか、と思いました。
そして、自分だったらどう逝きたいか、についてもつらつら考えました。去年から、病気だったことをほとんどの人に伝えずに亡くなった人たちが周りで続いたので、私はここで、「私が病気になった時はみんなに言う」と決めたことを明記しておきたいと思います。
死が近づいている時、自分がどう思うかはその時になるまでわからないものだとは思います。そして「変な情けをかけてほしくない」という気持ちもよくわかります。でも、私はきっと、隠すことはしないだろうと思うのは、健康な人間の驕りなのかもしれません。
折しも、いつも聴いている科学ポッドキャストOlogiesのホスト、Alieのお父さんが数週間前に亡くなり、いちファンとしても悲しく思っていましたが、先週、今週と引き続きThanatology(死亡学)のエピソードが配信され、死について、終活について、グリーフについてなど様々な質問に死亡学者のCole Imperiが答えていて色々考えさせられました。
今週のエピソードでは、実生活でも仲良くなったAlieとColeが、Alieのお父さんの死にどうやって対応したか、今グリービングしている人へのアドバイスなど、涙ながらに話していて、私ももらい泣きしてしまいました。グリーフにはAnticipatory Grief(予期悲嘆)というものがあり、大抵の人は実際に誰かや何かを失うことよりもこちらの予期悲嘆の方で不安に感じたりするとか、グリーフというのはコンポストのようなもので、時々空気を入れ替えるようにミックスしなければいけないとか、とても勉強になりました。
夫が「葬式は自分はどうでも良い」と言うのを聞いて一旦は納得したのですが、生前に自分の葬式の希望を伝えておくことは、遺された家族の負担を減らすことになるのでぜひやっておくべきだというColeのアドバイスにやっぱり終活って大事なんだなと思いました。また、人によっては1人で静かに死にたい人もいる、だから24時間家族がつきっきりなのに、数分目を離した時に亡くなる人がいるのは1人で死にたいからじゃないのかという話にも納得。
End of Lifeというのは個人的にとても興味があるトピックです。葬儀関係の仕事とかもいちどやってみたい。ポッドキャストでもいつか取り上げたいトピックでもあります。
はみライポッドキャストでは、Ep 217ではノンバイナリのリチャードソン幸さんと、なぜかふわっとした報道されることが多いLGBTQのモヤモヤについてお話を伺いました。
Ep 218ではスロベニアと日本のミックスルーツのライラみゆさんと、スロベニアという国について、そして未だに初対面で「こいつハーフやねん」とか言う人がいる、というミックスルーツの人のモヤモヤについて。
また、バルセロナ在住のセックスコーチ、おちさぎりさんのポッドキャストにゲストにお呼びいただき、ヴァルネラビリティについてお話ししました。
[ヴァルネラビリティ・アノニマス&お話会]
今週末です。登録されている方にはのちほどZoomのリンクを送ります。
日本時間8月21日日曜日朝10時から。北米時間では8月20日土曜日6時PDTから。
このニュースレターの有料会員の方、そしてPatreonのパトロンさんは無料で参加できます。登録はこちらから。
[ブレネー・ブラウンブッククラブ]
The Gifts of Imperfection、そしてI Thought It Was Just Me、二つのブッククラブ、3週間後に迫りました。今まで登録してくださっている方には先日Zoomのリンク、Facebookグループなどの詳細を送りましたので、届いていない方は迷惑メールフォルダをチェックしてみてください。
どちらのブッククラブもまだスペースはありますので興味のある方は以下からどうぞ。
The Gifts of Imperfection
恥(Shame)から立ち直ることができるレジリエントな人たち(”The Wholehearted”)は普通の人たちとどう違うのか?を研究して見えてきた10の指標を学ぶ本です。
日本時間9月3日(土)朝10時から 詳細はこちら
I Thought It Was Just Me
ブレネー・ブラウンの最初の本で、恥(Shame)とは何なのか?そして恥から立ち直るにはどうすればいいのか?について深掘りした本です。
日本時間9月4日(日) 朝10時から 詳細はこちら
今週読んだ本
引き続き「心臓を貫かれて」「騎士団長殺し」”I Thought It Was Just Me”を並行して読んでいますが、Twitterでたまたまレビューを見て面白そうだなと即購入して読んだのが高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」。短い本なので一気に読めます。私は食べることは好きだけど、食に関してのパッションがすごい人を見て、自分は絶対に”Foodie”ではないな、、、と思っているのでこの本に出てくるキャラクターの「食べるのが面倒臭い」感覚もなんとなく理解できました。そして私も日本のなにかとすごいすごいと褒めまくる文化が苦手なので、わかる〜と思いながら読みました。芥川賞受賞作。
今週聴いたポッドキャスト
この2週間で特に印象に残ったエピソードはFreakonomicsのThe U.S. Is Just Different — So Let’s Stop Pretending We’re Notというエピソード。アメリカは他の国とちょっと違う、という話から、タイトとルースな文化の国の話がでてきて面白いです。ルースな文化というのは自由度が高く、タイトな文化というのはいわゆる「縛り」が多い文化で個人の自由が少ない文化。このエピソードに出てきた研究の結果、もっともゆるい文化の国トップ5はウクライナ、エストニア、ハンガリー、イスラエルそしてオランダ。タイトな国トップ5はパキスタン、マレーシア、インド、韓国そしてシンガポール。日本もタイトな国に入るそうです。こういう比較文化論みたいな話は好きなので面白かったです。
Fresh Airではトランプ政権下で行われた難民の親と子を引き離す政策の歴史をまとめたエピソードでは、親から引き離された小さな子供がスペイン語で泣きながら一生懸命家の電話番号を言うという音声クリップを流していて、その時私は夕飯を作りながらキッチンで聴いていたのですが、子供が泣きながら訴える声を聴いて思わず手を止めて涙してしまうほど聴くのがつらかったです。
FreshAirの別の回ではTrue CrimeファンならみんなしっているGolden State Killerの犯人を年後に見つけたPaul Holesのインタビューも良かったです。この事件には今は亡きTrue Crimeジャーナリストのミシェル・マクナマラの名前もでてきます。ミシェルが突然の死の直前まで書いていた本は「黄金州の殺人鬼」というタイトルで村井理子さん訳が出ていますが本当に才能あるライターだったと思います。
今週観たTV・映画
これも2週間分なので色々あります。
リコリス・ピザ
Paul Thomas Andersonの作品なので絶対観て、と言われていた作品がようやく配信で見れるようになりました。故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンとアラナ・ハイム、どちらも本作で映画デビューで話題になりましたが、感想は、かなり微妙。私自身が70年代生まれの人間なので70年代にあまりロマンチックな思い入れがないことと、主役の2人のどこが良いのか全く魅力を感じなかったこと、そしてこれはいろんなところでも指摘されていましたが日本人差別のシーンがやはり見ていて気分が良くなく、なんでこんなにハイプされているのか理解できませんでした。
Thirteen Lives(13人の命)
2018年にタイでサッカー部の子供たちがコーチと一緒に洞窟に行って大雨のため冠水し閉じ込められた事件は世界中で報道された事件の映画化。監督はロン・ハワードで、変に感情的にならず、淡々と事件の様子を描いているという印象でした。
途中に何度も洞窟の中に溜まった水に潜るシーンが出てきますが、もう観ているだけで超ストレスフルで、おそらくここ数年の間に観た映画の中でも最もストレスフルな映画と言えると思います。(ちなみに私の中でストレスフルな映画第二位は「アンカット・ダイアモンド」)実際に起こった事件なので、子供たちは助かるという結末はわかっているのですが、それでもドキドキしまくりでした。でもとても感動するのでぜひ見てみてください。
Prey
配信されたばかりの新しい映画。「プレデター」シリーズの最新版です。
「プレデター」のようなSFアクションは普段はあまり観ないのですが、毎週やっているセンティメント解析のアサイメントであまりにも評判が良いので早速観てみました。「プレデター」というと宇宙からやってきたエイリアン、、という設定ですが、この映画では白人が北アメリカに入植してきた300年前に時を移して、プレデターがコマンチ族のもとにやってきたら?というストーリーで、設定のユニークさはもとより、とにかくコマンチ族の戦士たちがカッコいい。キャストのほとんどが先住民の俳優で、コマンチの言葉も頻繁に使われており、しかも英語版とは別にコマンチ版もあるそうで素晴らしい。今回の設定に、無理やり多様性を引っ張ってきたとこの映画を”Woke”(=日本語で雰囲気的に意味が近いのは「意識高い」だと思います)と批判する勢もあるそうですが、多様性とか抜きにしても単純にコマンチ族カッコよくね?それだけで十分エンタテイメントとしてありだと思いました。主演は先住民俳優のデイビッド・ミッドサンダーの娘、アンバー・ミッドサンダーで、大活躍でした。Midthunderって姓もカッコいい。
Better Call Saulは月曜日にシリーズ・フィナーレでもうこのキャラクター達と会えないのかと思うと寂しいですが、ブレイキング・バッドよりもよっぽど良いエンディングだと思いました。
今我が家で観ているドラマは”The Bear” (“Shameless” でLip役を演じたJeremy Allen Whiteに今一番ハマっています)”Never Have I Ever” (インド人女子高生の青春ドラマ)以前にも紹介した”The Rehearsal”、”Westworld”などです。
長くなってしまいましたが、また来週!
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ゆかりさん、確かパンについているタグを集めてらっしゃるんでしたよね。紙製のものは初めて見ました。最初、電車のチケットかと思いました(笑)。発想が古い・・・。紙製はどこか懐かしさがあって素敵ですね。色の組み合わせもキレイ。日本も紙製になるといいのに。
たまたま今日メモ帳とペンを買いに行ったら、「袋は要りますか」と聞かれ「要りません」と答えました。小さいメモ1冊とペンを3本買ったのですが、自分のバッグにそのまま入れれば全く問題ないのでそのつもりで「(袋は)要りません」と答え、相手の店員さんにもしっかり伝わったように思いました。が!その店員さんはなんと紙袋(お店のロゴは入っていない)に商品を入れ始めました。戸惑いすぎて何も言えなかったのが悔やまれますが、あとでレシートを見たら紙袋代は取られていませんでした。その紙袋にはリサイクル材質を使ってます旨のマークがついていました。購入したものが細かいから配慮してくれたのかもしれませんが、この意味のなさったら・・・。
その紙袋は適当に切ってメモ帳にしましたが、モヤモヤしました。