今週もあっという間でしたね。今日から2月です。とりあえず、年頭に決めた目標はいまのところ実行できていますが、まあ最初の月ですからね。みなさんはいかがでしたか。写真は散歩中に見かけたスノードロップ。この時期よく見かける花で、冬ももうすぐ終わりかなという気がします。
今週は水曜日にAtlas of the Heartの英語版ブッククラブが始まりました。日本、カナダ、アメリカから参加者が集まりました。ステレオタイプですが、いつも、英語圏の人は自分の意見を言うのに慣れているなと感じます。感情についてあまり考えたことがないという人と、いままでずっと感情的、もっと大人しくしなさいと言われて育った人が混じりあっていてなかなか面白いです。メンバーの一人が、「感情って色みたいなもので、怒り、喜び、哀しみみたいなメインの感情は原色みたいなものじゃないかな」と言ったことに、みんなが「それは上手い表現!」と膝をうちました。100%怒りとか100%哀しみ、という体験って実は少なくて、怒りの中には嫉妬という色が混じっていたり、哀しみの中にも寂しさが混じっていたりするものじゃないかなと思いました。
また今週は全カナダ日系人協会(NAJC)に、日本人移民のための委員会を作るべきか、というミーティングにも参加しました。もう数十年前から、カナダ全国に散らばる日本人移民たちをまとめる試みは何度もあったそうですが、これまでそのような団体はできませんでした。今回は新たに日本人のための団体を一から作るという話ではなくて、あくまでNAJCの中に移住者委員会を設立するべきかというミーティングでしたが、なかなか興味深かったです。
ちょうどこの週末にはカナダ在住日本人女性ネットワークの勉強会をやり、この会は名前の通り女性ばかりで、先の会(ほぼ男性ばかり)とのコントラストが面白かったです。先住民の歴史について学びましたが、これからも勉強会は続けていこうということになっています。
いま、ブッククラブを3つ平行してやっていますが、面白いのが、一つのグループで話したトピックがもうひとつのグループでも出てくること。Dare to Leadのグループで、Hope、希望の話が出てきました。ブレネーはいつも、Hope is a function of struggleと書いていますが、私はこれまでずっとこの意味がよくわかりませんでした。でも今週、ブッククラブのあるメンバーが、希望というのは何もない平和な時に持つものではなく、Struggle、困難な状況にいる際にそこから抜け出す行き先として持つものという意味じゃないか、と説明してくださって、すごくよく理解できました。
このブッククラブの翌日にAtlas of the Heartのブッククラブで読んだ章でもHopeとHopelessがでてきて、偶然にびっくりしました。そこには、Hope is a function of struggleのことを説明した上で、希望というのは可能性に夢を膨らませているときに感じるふわふわとした感情ではなく、困難な状況にいる時に作り出されるものだ、ということが書かれていました。希望を持つには次の3つが必要です:
1.ゴール(辿りつきたい先、目標、状況など)
2.そこに辿りつくまでの道のり
3.そこに辿りつく力
逆にいうと、この3つが無い時—どうしたいのかわからない時、そしてどうやってそこに辿りつけるのかわからない時、そこに向かう力もない時—人はHopelessに感じるのだそうです。すごく勉強になりました。
Atlas of the Heartの会で今週読んだ章は、Places We Go When We're Hurtingという章で、AnguishとGriefの違いは何か、などについてみんなで話しました。Anguishは日本語では苦悶とか苦痛と訳されると思いますが、身体的なダメージを伴うほどの辛い気持ちをAnguishというのだと学びました。また、Griefについてもみんなで話す機会ができて、ありがたかったです。いつものことですが、ブッククラブでみんなと感情をシェアすると、つながりが増える気がします。
今週はまた、いまエモのお部屋もClubhouseでやり、いつもながら、感情をシェアすることの大切さ、そしてこれもよく出てくるトピックですが「期待」についても話しました。いまエモは2月にもやる予定ですのでご都合のつく方はぜひ。
今日から、新しいプロジェクトがローンチしました。日系カナダ人アーティスト14名がペアを組み、オンラインでさまざまなコラボレーションをしてその様子をSNSで発信していくというYume.Digital Dreamsというプロジェクトで私はソーシャルメディアコンサルタントとして関わっています。明日からそれぞれのアーティストを紹介していきますのでよかったらぜひフォローしてくださいね。
カナダ国外ではあまり話題になっていませんが、カナダで今週一番大きなニュースは、アメリカへの国境を越える際、ワクチン接種を必須とする法律に反対するトラック運転手たちが、BC州から首都のオタワの国会議事堂まで何百台と押し寄せた、というニュースです。
最初の頃は、ワクチンを受けることを強制されたくないトラッカーたちの「フリーダム・コンボイ」をサポートするという投稿もいくつか見ましたが、実はこのグループの中には白人至上主義者や陰謀論者、アメリカで去年の1月に起こった議会襲撃のようなことを目的としているグループが参加しているとわかり、南部連合旗やスワスティカも見られ、自由を求めるデモ、という一見サポートしても大丈夫そうな活動から、一気に危険な集団ということに世論も変化しました。1月末に首都のオタワに到着したコンボイは、第一次世界大戦で亡くなった無名の軍人の記念碑に登って騒いだり飲酒したり、果てには骨肉腫を患って義足でカナダ横断しようとしたものの志半ばで亡くなってしまったカナダのヒーロー、テリー・フォックスの銅像にも「(ワクチンの)強制からの自由」といったサインを持たせるなどしてトルドー首相はじめカナダ全国から非難を浴びています。オタワではトラッカーたちがストリート・ピープルが本来利用するべきスープキッチンに押しかけたなどという報道もありました。
今週読んだ本
今週は、長いことほったらかしになっていたリチャード・ワガミセのIndian Horseを読了。先住民寄宿学校の話とは知っていましたが、ホッケーの話とは全く知らなかったのでびっくりしました。リチャード・ワガミセの本はシンプルな英語で書かれているのにとても心を打たれます。私もつい涙を流しました。この本はカナダ人の多くは学校の授業で読んだことがある本です。この本のことをインスタグラムに載せたら、私も読みました、もしくはこれから読みます、という方が数名いらっしゃったので、感想を話し合う会をやりたいと思っています。3月以降になると思いますが参加希望する方はご連絡ください。
今週聴いたポッドキャスト
Fresh Air
毎日聞いているFresh Airで今週びっくりしたエピソードは、アメリカの最高裁判事のClarence Thomasの妻Ginni Thomasが保守派の活動家で極右の思想を持っており、これはConflict of Interest(利益相反)ではないのか、というNew Yorkerの記者のインタビュー。今週は米最高裁判事のStephen Breyerが引退を発表し、後任が誰になるのかに注目が集まっています。90年代Clarene ThomasはAnita Hillからセクハラで訴えられたにも関わらず最高裁判事に就任した保守派の判事です。最高裁判事の配偶者は、義務があるわけではありませんがやはり政治的な活動をしていると判事に影響を与えることが懸念されるため、RBGが判事になった際も彼女の夫のマーティンは弁護士から大学での教授職に変更したとのこと。
またこれは、今週聴いたポッドキャストというわけではありませんが、今週はSpotifyのみでポッドキャストを配信している人気ポッドキャスタージョー・ローガンが、「ワクチンに関しての間違った情報を流している」ということで、ニール・ヤングがSpotifyから自分の曲を削除するように要請しました。「ローガンかヤングかどちらかだ。両方は無い(They can have Rogan or Young. Not both.)」と言ったニール・ヤングがカッコいい。この後、ジョニ・ミッチェルもヤングに賛同して自分の曲をSpotifyから削除しました。結果ジョー・ローガンは謝罪し、Spotifyはデマに関するポリシーを発表。Spotifyはアーティストに払うロイヤリティがものすごく少ない(1回の再生あたり1セント以下)ことで有名で、今回の事件もあり、なんだかAmazon化してきているなと感じました。そこで私もSpotifyを使うのはやめようと思ったのですが、しまった、と思ったのが、ブレネー・ブラウンのポッドキャストは両方ともSpotify Originalで、Spotifyでしか聴けません。モヤっていたら、すぐにブレネーは「当分の間ポッドキャストは配信しない」という声明を出しました。拍手。インテグリティ、一貫性のあること、というのはブレネーが最も大切にしている価値観のひとつだと思うので、これからどうなるか気になっています。おそらく巨額の契約などがあるでしょうからいますぐSpotifyから撤退などは難しいのかもしれませんが、注目しています。
今週観たTV・映画
The Gilded Age
毎週見ているボバ・フェット(Disney +)、And Just Like That…(HBO Max)に、もうひとつ週ごとに観る番組が増えました。私はダウントン・アビーの大ファンなんですが、ダウントンのクリエイター、ジュリアン・フェローズ製作のPeriod Drama(日本語でいうと時代劇?)の新作は、1880年代のNYを舞台にしています。
メイフラワー号に乗ってアメリカにやってきたという「昔から」のニューヨーカーで財を成したものはOld Money、そして鉄道などで新しく富を築いたものはNew Moneyと断絶がある時代の人々のドラマ。クリスティーン・バランスキーとシンシア・ニクソン(SATCのミランダ)がOld Moneyの姉妹を、キャリー・クーンが鉄道王のNew Moneyの妻を演じています。野心家のキャリー・クーンが新居でのパーティに多くの人を招待しますが、Old Moneyの人たちは目もくれない。。。さすが、ヒットドラマを作っているチームなだけあって、このドラマも1話からハマりました。お金持ちだけじゃなく、ダウントン・アビーのように階下で働いている人たちと彼らの話もでてきます。シンシア・ニクソンは甲高い声で一本調子で話す独特の喋り方が、あまり賢くはないけれど心の優しい妹役にピッタリだと思いました。これも毎週観るドラマになりそうです。
2月も楽しく行きましょう。それではまた来週!