今週は配信が遅れてしまいました。
11月に入りましたね。日曜日にサマータイム(Daylight Saving Time-DST)が終わり、Standard Timeに戻りました。このSpring Forward, Fall Backというやつ、春は時計を1時間進め、秋は時計を1時間遅らせることを覚えておくためのフレーズですが、春と秋にこうやって時計をずらすことがかなり面倒くさいです。前からDSTを廃止するという話は聞いているし、毎年この時期になると「そういえば止めるって言ってなかった?」と気になるので今回ちゃんと調べてみました。
先ほど配信した今週のポッドキャストでも言っていますが、New York Timesのこの記事によると、おおまかにはDSTを1年中使いたい派、DSTを廃止してStandard Timeのみに戻す派と、そしてこれまでどおり春と秋に時計を調節するので良いとする派の3つに意見がわかれているようです。
DST1年中派の意見は:
DSTだと夜明るい時間が増えるので外に出る人も増え、運動量が増えるので健康的である。また消費量も増えるので経済活動の促進になる、というものが多く、
Standard Time派の意見は:
DSTを1年中導入すると、朝が暗くなる。地域によっては朝10時まで暗いエリアもああるそうです。人間というものは日周リズム(cicardian rhythm)という体内時計を持っているので日の光にあわせて生活するのが最も自然で健康的である、というのが医学専門家の意見だそうです。体内時計とずれた生活をしていると体内時計とのいわゆる「時差ぼけ」が起こり、その結果、睡眠時間の短縮、代謝障害の増加、心血管障害、気分障害、さらには寿命の短縮やがんのリスクの増加など、深刻な健康上の影響を及ぼすという研究結果があるのだそうです。
このことをFacebookに投稿したら、友人が「だから私は今までどおり年に2回時計をずらす派で良い。そうすれば両方の良いところが使えるから」といったコメントを残していて、この面倒くさささえ乗り越えれば、確かにこれが一番良い解決法なのかな?と初めて思いました。
私が一番好きでこの5年ほどハマっているポッドキャストはMy Favorite Murderで、2018年にはライブショウまで観に行ったくらいのファンですが、このポッドキャストの音声を使ってVoice Over(口パク)のコンテンツを作っている人が「こんなアプリがあるよ」と教えてくれて今週参加したのがShuffleというアプリです。いま、Clubhouseはじめ音声SNSが人気ですが、このアプリはポッドキャストのファンがこのアプリを使ってポッドキャストを聴き、そこにコメントできるという、コンセプトだけ聞くとかなりシンプル。私は普段はポッドキャストはOvercastというアプリで聴いているので、わざわざShuffleで好きなポッドキャストを検索して追加して聴くのは面倒といえば面倒なのですが、ポッドキャストを聴いていて面白いと思った瞬間にコメントを残せ、そのコメントを他の、このポッドキャストのファン達も見ることができるので、いいねが付いたり、返信が付いたりして楽しいです。ちなみに、はみライポッドキャストもこのアプリで聴けますが、まだ日本人ユーザーが少ないようで、ファンが一人も居ません!のでもしShuffleをダウンロードされたらぜひはみライをフォローしてコメントを残して下さい。私のユーザーネームは@yukariです。
実は昨日、このアプリのファウンダーの一人とフィードバックのミーティングをして、UIについての感想とともに、日本人のユーザー全然いないから寂しい、と伝えました。はみライポッドキャストのコミュニティをこのアプリで作れたら面白いかな?と思っているので、興味のある方はダウンロードしてみてください。
よしながふみさん原作の「きのう何食べた?」は私も大好きな漫画・ドラマです。今回映画化されてTLでも盛り上がっている様子が伝わってきており、海外からも映画観たいなと思っていたのですが、こんなツイートが流れてきました。
インタビュー記事はここで読めます。
確かに私はこれもうーん、と思ってしまいました。ゲイのカップルの話は「夜中にひっそりやる話」なの?
そういえば、海外では最近はゲイの役はゲイの俳優さんが、トランスジェンダーの役はトランスの役者さんがやるというのが一般的になってきています(毎回必ずそうではないし、芸術的な理由で当事者でない人を起用する製作サイドもあります)が、そのことを、このツイートをシェアしてくださったとりとるさんにコメントして、こんな会話がありました。
確かに、日本でゲイであることを公言している役者さんはあまりいらっしゃらないですよね。なので、当事者でない方がゲイの男性の役をやること自体はまだ日本では仕方がないことと理解できますが、とりとるさんの仰るとおり、主役の俳優さんがこういった無神経な発言をしてしまうというのは、本人の問題であると同時に、製作に関わる人達全員の意識の低さというのが露呈してしまっているという気がしました。
折しも、日曜日にはClubhouseにて、Netflixで配信されているSex Educationというドラマについて話そうというお部屋をやったところでした。
このドラマはタイトルの通り、性がテーマで、セックスセラピストを母親に持つ高校生の男の子が自分自身、そして友達が持つ様々な性の悩みをコメディタッチで描きつつも、根底には「私たちみんな生きる価値があるし、多様な生き方がある」ということを教えてくれるとても素敵なドラマです。
【警告:ここから性暴力の話がでます】
このドラマの中で、シーズン2にて、主人公の女の子の親友役のAimeeが、バスの中で性暴力を受けるというストーリーがあります。ネタバレはしませんが、沢山の登場人物の様々な悩みの中で、このAimeeのストーリーラインは特にシリアスで、観ていて胸が痛くなりました。
クラハの部屋をする前にこれまでのシーズンをおさらいしようとまとめ動画を観ていた時にこんな動画を見つけました。
Aimeeのバスのシーンについて、女性の3分の2が体験するという性的暴行について、Aimee役のAimee Lou Wood、Sex EducationのクリエイターのLaurie Nunn、Ola役のPatricia Allison そしてEveryday Sexism という団体のファウンダー Laura Batesが話している動画です。再度警告しますが、性的暴行がテーマの動画です。
30分の動画ですが、女性ならみな頷き膝を打つ内容なのではないかと思います。Aimeeのバスでのシーンは、クリエイターのLaurieの実体験を元にして描かれたのだそうです。動画中にはSex Educationからのシーンもいくつか挿入されていますが、最後にAimeeをサポートする女友達の様子は今観ても思わずうるっと来てしまいました。
この動画を観る限りでは、Sex Educationというドラマは最低でも製作者と役者陣のあいだには性的暴行についてこのような会話がされているし、あくまで私の想像ですが、プロダクション全体にこのように性に関わるあらゆる問題について(このドラマでは性的暴行だけでなく、LGBTQや正しい性教育のトピックもでてきます)オープンに話せる安全な場所というカルチャーがあるようです。
「きのう何食べた?」に話を戻すと、主演の俳優さんが先に紹介したような無神経な発言をするというのは、きちんと作品の裏にある社会問題やその当事者の気持ちなどを理解するカルチャーがあったらまず起こらないことなのではないか?と思いました。ハリウッド映画やNetflixなどの大きなプロダクションの場合には例えばセックスシーンの場合はIntimacy Coachと言って、セックスシーンやヌードのシーンを安全に撮影するためのコンサルタントがつきますし、Sex Educationのようなプロダクションだったら恐らく性暴力に関するセミナーやワークショップのようなものがあったかも知れません。日本ではそのような文化が浸透していないようなのは予算の問題なんでしょうか。とても残念です。
Clubhouseでは日本時間11月13日(土)11:00AMからマックネイアひろこさんとはみライの「Ep.179 アメリカの刑務所で働くってどんな感じ?」についてお話します。
日本時間11月13日(土)11:30PM からはNetflixのドラマMAID(邦題:メイドの手帖)について話す会をやります。お気軽にご参加下さい。
前から予告していましたが、次のブレネー・ブラウンブッククラブでは、ブレネーの新刊、Atlas of the Heartを12月12日の週末から読んでいきます。ブッククラブの詳細は・申し込みはこちらからどうぞ。
今週のポッドキャストでは「信頼について」話しています。
また、先週のニュースレターでもお知らせしましたが、We Actの本プレゼントははみライのクリスマス企画とします。去年は、はみライのリスナーさん同士でシークレットサンタとしてプレゼントを贈りあったのですが、今年はサプライチェーンが激混みしそうなので、残念ながらお休みします。来年のクリスマス、もしくはサプライチェーンが落ち着いていたらバレンタインの頃にプレゼントを贈りあうのもいいかなと思っていますので興味のある方は連絡ください。
はみライのクリスマスプレゼントとしては、We Act!1の本と、カナダからクリスマスプレゼントをセットにして、抽選で2名の方にお送りします。応募条件は、このニュースレターに登録していること。ニュースレターに登録しているメールアドレスを明記の上、こちら↓からどしどしご応募ください。どこにお住まいの方でも応募できます。締め切りは11月15日まで延長します。
今週読んだ本
今週、You Are Your Best Thingをようやく読み終わりました。この本を読んでいるブッククラブもあと2週間で終わりです。
今平行して読んでいるのは、アルテイシアさんの「モヤる言葉、ヤバい人」と、 “Indian Horse”, “Care Of” そして
早坂大輔さんの「ぼくにはこれしかなかった」も読み始めました。
今週聴いたポッドキャスト
This is Actually Happening
何度か紹介しているポッドキャストですが、今週聴いたエピソード”What if you didn’t know where they were taking you?”も良かったですが(これも性暴力がテーマの回でした)、エピソードが始まる前のこのポッドキャストのホスト、Whit Missildineのコメントに胸を打たれました。このエピソードの前の回、エピソード209がとてもControversialなトピックだったため、番組のInstagramに誹謗中傷のコメントが相次ぎ、ついに番組の方針としてコメントをオフにすることにした、というものでした。オンラインでコミュニティを運営している以上、こういったことはよくあることだと思うのですが、以下は彼のコメントです。ちょっと長いですが引用します(下に日本語訳があります):
What actually disappoints me the most is when people show up with laziness. Unfounded outrage is easy. Wild speculations and projecting your fears onto others is easy. Bullying is easy.
Years ago, a brilliant meditation teacher of mine, Matthew Brensilver said something I’ll never forget. He said, “You don’t have to like everyone. You just have to love them”. What if instead of taking the easy route, we collectively decided to do the much harder thing. To show up with love, instead of laziness. This is my challenge to all of us today. Can we show up with love for people , just for being human, with all the imperfections that come with it. Within this, there’s an even deeper challenge. Can we show up for people, not despite their imperfections, but because of them.
Every episode of this show features people who were pushed beyond the limits of their capabilities beyond their ability to make sense of the world, beyond what their lives have prepared for them to handle. This show is an exercise in finding out what lies at the heart of human frailty and vulnerability. What happens when we are cast into the unknown and how we find our way out. The people on the show are not perfect. You don't have to like how they reacted or what decisions they made. You don't have to like them at all, and you're welcome to share your thoughts, disagree with each other, tell me what you don't like about the show, and bring your skepticism. But the question is, can we do so with love? Can we show up with love for them because they're human and because they're willing to share with us what it's like to be wounded and imperfect and unfinished just as wounded, imperfect and unfinished as you are and as I am. My goal here is not to create silences, but to allow our better nature to shine and to create tiny corners of the world where this kind of love is possible.
実際のところ、私が最もがっかりするのは、人々が怠惰な態度で現れることです。根拠のない憤りは簡単です。荒唐無稽な憶測や自分の恐怖心を他人に投影することは簡単です。いじめは簡単です。
数年前、私の素晴らしい瞑想の先生であるマシュー・ブレンシルヴァーが言った言葉が忘れられません。彼は、「みんなを好きになる必要はない。ただ、彼らを愛せばいいのだ」と。もし、私たちが簡単な道を選ぶ代わりに、もっと難しいことをすると決めたらどうでしょう。怠惰ではなく、愛をもって現れること。これは、今日の私たち全員への挑戦です。不完全な部分も含めて、人間であることに愛を持って接することができるかどうか。これには、さらに深い課題があります。不完全であるにもかかわらず、ではなく、不完全であるからこそ、人々に愛を示すことができるでしょうか。
この番組のすべてのエピソードは、自分の能力の限界を超えて、世界を理解する能力を超えて、自分の人生に用意された処理能力を超えて押し出された人々を取り上げています。この番組は、人間の弱さやヴァルネラビリティの核心が何であるかを探る試みです。未知の世界に投げ出されたときに何が起こるのか、そしてどのようにして出口を見つけるのか。この番組に登場する人々は完璧ではありません。彼らがどのように反応し、どのような決断をしたかを好きになる必要はありません。彼らを好きになる必要は全くありませんし、考えを共有したり、お互いに意見をぶつけ合ったり、番組の気に入らない点を教えてくれたり、懐疑的な意見を持ってくるのも歓迎です。 しかし、問題は、愛をもってそれができるかどうかです。彼らは人間であり、あなたや私と同じように傷つき、不完全で、未完成であることを私たちと共有しようとしているのですから。私の目標は、沈黙を作ることではなく、私たちのより良い性質を輝かせ、この種の愛が可能な世界の小さな一場所を作ることです。
You don’t have to like everyone, you just have to love them. 私にも忘れられない言葉になりそうです。
このポッドキャストには性暴力を受けた人、不思議な体験をした人、メンタルヘルスを侵されて入院した人、いわゆる毒親に育てられた人、など本当に様々な体験をした人がでてきます。そして当事者自身が話をしてくれます。中には「これは完全にこの人の思い込みでは?」と思うようなエピソードもあります。私も、あまりにもナルシシストなストーリーテラーに我慢ができなくなって聴くのを止めた回もあります。でも、そういった人達を好きになる必要はないし批評をしても良いけど、その根底には愛があるべきだというWhitのコメントに強く胸を打たれました。ちなみに、上で誹謗中傷が殺到したエピソードは今では既に削除されてしまいましたが、難病を抱える孤児を飛行機に乗せて助けようとしたクリスチャンの女性の体験記でした。
今週観た映画・ドラマ
今週はThis Is Usのシーズン5を観終わりました。あの終わり方!!次のシーズンまで、また1年ほど待たなくてはいけません。
今週のThe Morning Showもとても良いエピソードでした。人が亡くなったあと、その人のレガシーにどういうストーリーをつけるのか。とても考えさせられるエピソードでした。
そして、ようやく、ようやく、1年遅れでMinariを観ました。最後の方はつらくて観ていられませんでしたが。。。オスカーを取ったのも納得です。
みなさまよい1週間を!また来週。
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