今週のビクトリアは、25℃くらいまで気温が上がり(これはビクトリアでは暑いほうです)、風通しの悪い我が家ではちょっと寝苦しい夜も続いたのですが、今日は打って変わって外は強風で、窓を開けていると寒いという変な天気になっています。日本のみなさんは猛暑・台風など大変そうですがみなさんお変わりありませんか。
今週はミーティングとポッドキャストの収録で過ぎていきました。8月と9月で二つの違うイベントの企画委員会に入っているので、頭の切り替えが大変です。仕事関連では、今週、ずっと気になっていた、今後この仕事がどうなるのか、ということに対してポジティブなコメントをもらい、先が見えなかった不安が少し減りました。
先日、The Gifts of Imperfectionのブッククラブで、Meaningful Work、有意義な仕事について語る機会があり、みんなのドリームジョブを聞いたり、今の仕事についてどう思っているかについて話しました。結果わかったのは、今の仕事に100%満足している人というのはごくわずかなんじゃないか、ということ。どんな仕事であれ、「私はこれでいい」と思えていれば問題はないのですが、それを邪魔する社会のすりこみがあるよね、という話になりました。これはインスタグラムでもReelとしてシェアしていますのでよかったらみてみてください。
今週のポッドキャストでは、前回お知らせしたとおり、まあやんに戻ってきてもらっていろんな話をしました。編集中にも1人で聞き返して笑ってしまうくらい楽しい収録でした。このSummer of Friends & Fun企画を始めて、友達と話す時間がぐっと増え、すごく日々の生活が豊かになったことを実感しています。パンデミックでSNS上での簡単なやりとりだけになっていた友人が多かったのを、最近は「元気?」だけよりもう少し踏み込んだ話をするように心がけるようになりました。明日配信するポッドキャストも古くからの友人とのエピソードです。お楽しみに。これからもっと友達との時間を大事にしたいので、メッセージ、テキスト、Zoomのお誘いも歓迎です。
9月から日本時間土曜日の朝にThe Gifts of Imperfectionを読んでいくブッククラブを始めることは前回のニュースレターに書きました。今日は、日本時間日曜日の朝から読んでいく本をご紹介します:I Thought It Was Just Me(But It Isn't) です。
この本はブレネー・ブラウンの最初の本で、Shame(恥)について深掘りし、どうやって「人がどう思っているか」気になる人から、「わたしはこれでいい」と思える人になるかについて詳しく説明した本です。詳細・申し込みはこちらからどうぞ。
週に2回、2つのトラックでブッククラブをやるのもこの秋で最後になると思います。来年からは日本時間土曜日もしくは日曜日朝どちらかだけでやっていくつもりです。
そして、こちらも以前お知らせしたとおり、ヴァルネラビリティ・アノニマス&お話し会を8月も開催します。日本時間8月21日(日)の朝、北米時間では20日土曜日の夜になります。お申し込みはこちらから。
今週読んだ本
「心臓を貫かれて」はすこーしずつ読んでいます。やっぱり暗いので、読むと止まらない!という感じではないですね。これも少し時間かかりそうです。日本語の本を読みたいと思っていたら、少し前に買ってほったらかしになっていた2017年の「早稲田文学」で川上未映子さんが責任編集した女性号を読み始めました。沢山の女性によるエッセイ、詩、短編小説が詰まったムックで、とても面白いです。ロクサーヌ・ゲイの短編が載っていたり、今まで全く知らなかった韓国のアーティスト、イ・ランが「韓国大衆音楽賞トロフィー直売女」というエッセイを載せていて、最初は歌手を主人公にした短編かと思って読んでたら本人による実際に起こったことに関するエッセイでびっくりしました。賞を貰っても賞金がないので生活にならないのでその場でトロフィーをオークションにかけたとか、SNSでの誹謗中傷などについても赤裸々に書かれていて、この人カッコいい、とすぐにフォローしました。
今週聴いたポッドキャスト
Twenty Thousand Hertz- Shock Horror(A)
毎回、音に関するエピソードがおもしろいTwenty Thousand Hertzでは、聞けばみんな知っている、「ダンダンダーン!(Dun Dun Duuuun)」のあの音について。誰が作ったのか、そもそも何のために作られたのか、など、とっても面白いエピソードでした。
Rough Translation - Alone@Work: Miles To Go Before I'm Me
ここのところ何回かおすすめしているRough Translationの@Workシリーズでは、今回は女性トラック運転手にフォーカスしたエピソードがなかなか面白かったです。
Endless Thread - Swedengate
これも、最近紹介回数の多いEndless Threadから。このポッドキャストはRedditのスレッドを紹介するポッドキャスト。今回のエピソードでは、子供のころ、スウェーデン人の友達の家に遊びにいったら、晩御飯の時間になるとその家の子が「ちょっと待ってて」と部屋を出て夕食をとりに行き、友達は夕食に招待されず1人取り残された、、という思い出の投稿がバズって、果てには「スウェーデン人はお客さんに夕食を振る舞わないのか」と思われる「Swedengate」まで発展した事件を取り上げています。世界の文化の違いって面白いし、またその文化を知らない人たちがそれはおかしい、ということってどうよ?というところまで言及していて良かったです。
We Can Do Hard Things -Reese Witherspoon on Friendship: What, Like It’s Hard?
これもこのニュースレターでは何度も紹介しているポッドキャスト。さっきまで聞いていました。このエピソードではリース・ウィザースプーンが友情について話していて、”Summer of Friends & Fun”で友達との時間をもっと持つことにフォーカスしている私としてはとても興味深く聴きました。「誰かがあなたと友達になりたがってる時、自分が有名だからじゃないってどうしてわかるの?How do you know that someone doesn’t just want to be friends with you because you’re famous?」というグレノンの質問に「I don't」と答えていたのがとても印象的でした。グレノンの妻のアビーも「That’s so cool to say, Reese, because that’s a very non-codependent thing to say.」と言っていましたが、自分に近づいてくる人の本心なんてわからない。でもそれを勘ぐったり疑ったりせず、相手が自分のことをどう思っているかと、自分がその人と友達になりたいかということを切り離して考えることができるというのはすごいなと思いました。
ちなみにエピソードのタイトルになっている”What, like it's hard?”というのはリース・ウィザースプーンの代表作 ”Legally Blonde”の名セリフから。この映画の邦題が「キューティー・ブロンド」になっているのがすごく嫌です。
今週観たTV・映画
今週はそんなに沢山TVは観ていませんが、映画”Good Luck To You, Leo Grande”を見てすごく良かったのでシェアします。
ストーリーは、夫に先立たれた教師のナンシーが、リオ・グランドという若いセックスワーカーを雇い、セックスについて今まで経験したことのないことを経験させて欲しいと頼むところから始まります。
ナンシーを演じているのは名女優エマ・トンプソンで、自分の容姿にもそしてセックスの経験にも全く自信のない年老いた女性をものすごくリアルに演じていて、最初のほうは「こんなおばさん嫌でしょ」とか「こんな仕事して、ご両親にはなんて言ってあるの?」など、見ているこちらが気まずくなるシーンばかりなのですが、リオとの会話を通じて少しづつ打ち解けていく2人が微笑ましいです。リオ・グランドを演じているのはダリル・マコーミックという俳優で、私は初めて観ましたが、とってもハンサムです。
ナンシーはセックスでオーガズムを感じたことがなく、でももう諦めてるからそれは起こらないと思ってていいわよ、とリオに言います。
この映画のメインのテーマはセックスと快楽なので、映画の90%を占めるシーンのホテルの部屋内での2人のやりとりの中にはセックスシーンもありますが、セックス・ポジティビティ・ボディ・ポジティビティ、エイジズムに関するメッセージもあり、セックス以上のことも観るものに残してくれる、素晴らしい映画でした。エマ・トンプソン素晴らしかった!いやあ良かったです。久しぶりに五つ星の映画を観ました。Amazon Primeで観れますので観た方とぜひ感想を語り合いたい!
もう一つ見たリアリティ番組がThe Rehearsalで、これもすごくインパクトがある番組です。この番組はネイサン・フィールダーが主演。たまたまポッドキャストFresh Airを聴いていたらこの番組のレビューが流れていて、レビューした人が「こんな番組見たことがない」と言っていたことから気になってチェックしてみました。
この番組のざっくりとした説明としては、「悩んでいる人の悩みを解決するためにあるとあらゆる可能性を考えてリハーサルする」と言えるでしょう。今の時点では1話しか配信されていませんが(HBO)、趣味のグループの友達に、学歴のことで嘘をついた男性が出てきます。嘘をついて数年、とても心苦しいので正直に嘘を告白したいのですが、相手の友人の反応が怖い、という悩み。そこでネイサンはこの男性の友人に似ている女優を見つけてきて友人役にし、ありとあらゆる筋道を考え尽くし、リハーサルをやりつくします。もし彼女が「何年も嘘ついてたなんて最低!」と怒ったらどう対応する?とか、彼女に嘘を告白する際にいく予定のパブを完全にスタジオに再現(!)して、あらゆる不確実性を無くそうとする試みに「なんでここまで手間暇かけるんや。。。」と見ている私が唖然とするくらい。
ブレネー・ブラウン ブッククラブをやっていると、ヴァルネラビリティの定義は「不確実性、リスク、生身をさらすこと」と学ぶのですが、このネイサン・フィールダーという人はとにかく不確実性、ヴァルネラビリティを無くそうとしてあるとあらゆる可能性を考えてリハーサルしているわけで、いろいろ考えさせられました。
このネイサン・フィールダー、私は今まで全く知らなかったのですがなんとバンクーバー出身で私の住んでいるビクトリアのビクトリア大学のビジネススクールを卒業したコメディアンらしいです。彼の前の番組、Nathan For Youはカルト的人気というのもネットで知り、夫と2人で見始めました。とにかく、ものすごくユニークな番組です。
というわけで今週はこのへんで。
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7/22/2022 友情の大切さ・五つ星映画
「心臓に貫かれて」、少しずつ読んでいらっしゃるのですね。前回ネタバレに近いコメントを書いてしまった気がしていて、ごめんなさい。
邦題どうにかならないかなーと私もよく思います。たぶんLegally Blondeを見てReeseのファンになったと記憶しているので、邦題に負けずに観てよかったです。邦題の酷いもので思い出すのは、Drop Dead Divaが「私はラブ・リーガル」だったこと。私はこの邦題をずーっと「私はラブリーガール」だと見間違えていて、なんて酷いタイトルだと思ってそれだけで見なかった思い出があります。RGBの映画の邦題も酷かったですよね。