7月に入りました。カナダでは7月1日がカナダデイ、アメリカでは7月4日が独立記念日のため、私が一緒に仕事をしている人たちは一斉に先週なかばあたりからまとめて休みを取っている人が多く、メールをしてもOOO(Out of Office)の自動メールが返ってくるばかり。
ネット上でも地元の友達もみんな日本に帰国していて美味しいものと投稿をみては羨ましがっています。私も旅行したい、と思うのですが我が家では夫のパスポートが切れていて、今、カナダのパスポートオフィスは人手不足でまったく回っておらず、フライトを予約した人のみ、未明からパスポートオフィスの外に泊まり込んで、最初の30名ほどのみがパスポートを出してもらえるという状況らしく、そこまでしてパスポートを取る意味があるのか悩んでいます。夜中から列に泊まり込んで並ぶことを代行してお金を稼ぐ人や、オンラインでエドモントンのパスポートオフィスに予約をして、バンクーバーからエドモントンまで飛んでパスポートを2時間半でゲットするという裏技を紹介したTikTokもでてきて、とにかくすごいことになっています。
これに加えて、トロント空港ではこちらも人手不足のため荷物が飛行機に乗らず置き去りにされ、空港に何百ものスーツケースが山積みになっている動画もたくさんTikTokにあげられており、よほどの理由がない限り、今旅行は無理っぽい感じです。
7月1日のカナダデイは、去年、215人の先住民の子どもたちの遺体がカムループスの元先住民寄宿学校跡地に埋葬されていることが発覚して以来(その後カナダ中の先住民寄宿学校跡地で今では1万人以上の遺体の埋葬が確認されている)、カナダという国を素直に祝えない、という世論が増えてきました。これまでのカナダデイというと国旗の赤と白を身につけて、各市で行われる大規模なイベントに参加し、花火でしめくくる、というのが一般的だったと思いますが、ここ数年はカナダデイには長年、そして今でも虐げられている先住民の人に敬意を表してオレンジ色を身につける人が増えました。Orange Shirt Dayは9月30日ですが、オレンジは先住民の人々を敬う色としてだいぶ定着してきました。なぜオレンジなのかはこちらを参照。私も、Victoria Orange Shirt Dayから数年前に購入したTシャツを着て過ごしました。
アメリカも4日が独立記念日ですが、女性の中絶権が剥奪されたり、去年の1月6日の議会襲撃に関する公聴会で驚くような事実が明らかになったり、新たにまた黒人男性が警察に射殺されたりと暗いニュースが続く中、「アメリカってそんなにグレイトな国なのか?」とか「今年はJuly 4thを祝う気になれない」というツイートもちらほら見かけました。ボイコットする動きもあるとあんなさんも仰っています。
今週は前回のニュースレターで書いたパビリオンにて、写真撮影のため着物を着てくれる人を探しているという問い合わせがあり、お友達の志乃ちゃんと(彼女ははみライEp120 で日本酒と菌活について話してくれています)浴衣で行ってきました。1年以上ぶりに会うのでフォトグラファーがショットを確認している間もずっと喋り続け、とても楽しい時間となりました。
このパビリオンが建つきっかけとなったタカタ一家については前回にニュースレターに書きましたが、今週、とある方が私が以前このタカタガーデンについて書いたブログを読んだとメールしてくださり、自分で書いたこともすっかり忘れていたブログをここにも貼っておきます。近いうちに、パビリオンのオープンについてのブログも書かなければと思っています。
今週のポッドキャストでは、6月24日にアメリカの最高裁でロー対ウェイド判決が覆され、中絶が違法かどうかは各州で決められることになったことに対して話しています。黒人の奴隷制度や女性参政権の歴史を見ても分かる通り、普通は権利というものは拡大されていくものですが、今回、中絶を選ぶという女性の権利が奪われました。よって、私たちの娘たちの世代は私たちより持っている権利が少ないということになってしまい、非常に危機感を感じています。
[コンテンツ警告:ここから性暴力の話がでます。読みたくない方はスキップしてください。]
オハイオ州でレイプに遭い妊娠した10歳の少女が、中絶できず、インディアナ州までいかなくてはいけなかったというニュースに怒りの声があがっています。これから、こういうニュースは増える一方でしょう。今中絶が禁止されている州の住人は、カリフォルニア州など中絶が認められている州までわざわざ行かなければ中絶することができませんが、今後そういったクリニックで患者が増え、施術までに時間がかかることも懸念されています。
今週で、4月からやってきていた、Atlas of the Heartのブッククラブが終了しました。感情についてしっかり学ぶというこも本は、読むのが3回目だった私にも、もう少し時間が必要な本だなと感じました。毎回のことですが、ブッククラブ参加者同士で話をシェアすることによってうまれる「つながり」に今回もとても励まされました。
ブッククラブ後、参加者の1人の千夏さんが、「あつ森」でデザインしたという私の写真を送ってくださり、感動しました。後ろに積まれている本とか、よく再現されていてすごい!千夏さん、ありがとうございました。
日本時間土曜日の朝10時の時間帯でやってきていたブッククラブでは、次は9月から、The Gifts of Imperfectionの本を読んでいく予定です。Shameを感じてもすぐに「わたしはこれでいい」と思える、レジリエンスを持っている人たちとはどういう人たちなのか?そしてそういったWholeheartedな生き方をするためには何が必要なのか?を説いた本です。
もう一つのブッククラブ、日本時間日曜日の朝10時から読んでいるグループでは、”Rest & Play”の大切さについて学びました。何も目的がなくただ楽しいからやること、私たちは1日の中でどのくらいやっているでしょうか?これは、今週のポッドキャストでも話したいと思っています。
ブッククラブが終わり、9月まで次のブッククラブがないことに、嬉しいような、寂しいような不思議な気持ちです。ちょうど、今週の会でRestとPlayについて読んだこともあり、「何もしない」自由を満喫したいと思っています。それと同時に、友達とのつながりを最近恋しく思っていることに気がついたので、実際に会えない友達とはメッセージやZoomなどでもっと話したいなと思っています。
【連絡事項】
カナダ移住者座談会 カナダ時間7月7日(木)5:00PM PDT
カナダ在住で日本語を話す方なら誰でも参加できます。私もモデレータとして参加します。カナダ生活の悩み、問題などお気軽にシェアしてください。登録はこちら。
ヴァルネラビリティ・アノニマス&お話会 日本時間7月9日(土)10:00AM
北米時間では7月8日(金)の夜です。みんなで普段は勇気がなくてシェアできないことをあえてシェアする会です。その後はフリートーク。ニュースレターの有料購読者、そしてPatreonのパトロンの方は無料で参加できますのでその旨お知らせください。申し込みはこちら。
今週読んだ本
夏休みに入った息子が「ラジオ体操カード」ならぬ「読書カード」を図書館からもらってきているのを見て、最近読書の時間が取れていなかったことに反省して毎日最低20分は本を読むという時間を組み込んでみました。
”Five Little Indians”は今60%くらい。そして、次のブッククラブのリサーチとして、ブレネー・ブラウンの最初の本、”I Thouoght It Was Just Me”も読み始めました。
今週聴いたポッドキャスト
今週はニュース関連のポッドキャストはやはりRoe v. Wadeについて掘り下げるエピソードが多かった中、何も考えずに聴けるポッドキャストを紹介します。
Tig and Cheryl: True Story: The Best of True Story (Volume One)
私はスタンダップコメディアンが好きで、その中でもTig Notaroが大好きなんですが、これは彼女と、女優のCheryl Hines(名前だけ聞いたら最初誰かわからなかったけど、Curb Your Enthisiasmで主人公の妻役と言われてあー!あの人!となりました)が、ドキュメンタリー映画について語るポッドキャスト。観ていないドキュメンタリーがテーマの回でも、2人のやりとりが面白いくて笑えます。この回はBest of回なのでところどころ説明が入っているので初めて聴く人にもおすすめ。
Scene on Radio: Himpathy
Scene on Radioはデューク大学のCenter for Documentary Studiesが配信しているポッドキャストで、これまでも”MEN” “Seeing White” “The Land That Never Has Been Yet”など多くのとても優れたシーズンがありますのでぜひ最初から聴いてほしいポッドキャストです。今回、Roe v. Wadeが覆されたことを受けて、シーズン3の”MEN”シリーズから”Himpathy”というエピソードを再放送しています。HimpathyとはHimとSympathyを合わせた造語。友達だと思っていた男性から性被害を受けたある女性に対して、いかに周りの友達や家族が被害者である女性でなく、加害者の男性を擁護することが多いのかがレポートされていて、本当に、ちゃぶ台をひっくり返したいくらい怒りが込み上げてきました。なんで女性はこんなに酷い目に遭わなければいけないのか。”MEN”シリーズはこんなエピソードばかりです。必聴。
今週観たTV・映画
連休でどこにもいかないので、たくさんTVや映画を観ようと思っています。とりあえず今週観たのは:
The King of Staten Island
今キム・カーダシアンと付き合っていることで話題のコメディアンピーと・デイビッドソンが主演・脚本もやっている半自伝的映画。ピートの父親はNYの消防士で911で亡くなったらしいです。映画には911の話はでてきませんが、消防士の父親を亡くした、やる気のない青年が、母親のボーイフレンド(コメディアンのBill Burr)が消防士ということから、亡くなった父の話を聞くというのが大まかなストーリー。出てくるキャラクターのほとんどがコメディアン(スティーブ・ブシェミも出てきます)で「あの人も!」となる面白い映画。ジャッド・アパトーの映画なので笑えるシーンも泣けるシーンもあって、すごく良かった。ずっと観たかったのがようやくNetflixに来ました。
Toy Story 4
あと、今更なんだけど「トイ・ストーリー4」も観ました。最初のトイ・ストーリーから観ている世代なのでやっぱ観るでしょ。
Stranger Things
「ストレンジャー・シングス」もシーズン4の後半がリリースされ、一気に見ました。最後のエピソードは尻つぼみと言っている批評家もいたけど、まあ普通に面白かった。
Loot
新しいドラマで面白いのがApple TV+でやっているLOOT。マヤ・ルドルフがテック関連の大富豪(アマゾンぽい感じ?)と離婚して(この辺り、ジェフ・ベゾスと離婚したマッケンジー・スコットぽい)一転、路上生活者のサポートをする非営利団体で仕事をするようになる、、、というストーリー。あまりにもお金持ちなので自分がどんな団体やチャリティを所有しているのかわからない主人公のモリーが、間違いを犯しながらも一般人の生活に慣れていく様子が面白く描かれています。マヤ・ルドルフはほんとコメディうまいので、何度も笑いながら観ました。続きが楽しみ。
他にもスタンダップスペシャルではBill Burrの “Paper Tiger”、そしてJoel Kim Boosterの”Psychosexual” をみてどちらも面白かったです。ジョージ・カーリンはもう亡くなってしまったし、ルイ・CKがキャンセルされた今、ビル・バーは一番面白いコメディアンなんじゃないかな。JKBは白人に養子にもらわれた韓国系アメリカ人かつゲイという立ち位置からのコメディ、これもすごく良かったです。
というわけでスペースが残り少なくなってきたのでまた次回!
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